食文化ファイル「店舗」

博多 い津み 2011:12:31:22:48:49  2012:01:16:13:22:29

博多 い津みのイメージ

ジャンル:ふぐ料理

『たべごころ』放映2011.12.10

住所:福岡市博多区住吉2-20-14
TEL:092-291-0231

【営業時間】
 12:00〜14:00(OS.13:30)
 17:00〜22:00(OS.20:30)
【定休日】
 日曜日(10月〜3月は無休)

http://www.hakata-izumi.com/

地図

福岡市博多区住吉2-20-14

博多 い津みのイメージ

<昼の部>
 ふくセット  3,675円
 (刺身、唐揚、小鍋のお得なコース)
 ふくコース  5,250円
 (先付、ふく刺、ふく唐揚、ちり鍋、雑炊、フルーツのコース)
 ※テーブル席限定のコース。

<夜の部>
 ふく料理
  特選天然ふくコース  31,500円
  天然もののコース   26,250円
  養殖もののコース   15,750円
  (刺身、唐揚、ちり鍋、雑炊、香の物、デザートのコース料理)
 ふく会席
  21,000円・10,500円
  (刺身をはじめ煮物、焼物等全てふくを素材とした料理を取り合わせたコース料理)
 ふく楽コース
  7,350円
  (先付、ふく刺、ふく唐揚、ちり鍋、雑炊、フルーツのコース)
  
 ※コース料理以外にも予算に合わせた料理もあり。
 
 

※2011年11月17日現在

博多 い津み 大将 宮武 尚弘 氏

博多 い津みのイメージ

福岡市博多区住吉、住吉橋のたもとに店を構えるふく料理の名店【博多 い津み】は、創業80年を超える博多の老舗料亭。ふくの旨味を最大限に引き出す料理は、日本人はもとより海外からの客人をもうならせている。

一般的に「ふぐ」と呼ばれるこの魚だが、ふくの産地で有名な山口県・下関市や福岡県・宗像市などでは、「不偶」につながる「ふぐ」ではなく、縁起をかついで「福」につながる「ふく」と呼ばれている。

ふくはほとんどが筋肉質で、他の魚とは異なっている。また、ふくの旨味とは脂ではなく、奥深い独特の味わいが特徴。ふくを知り尽くしている【博多 い津み】の3代目・大将 宮武 尚弘 氏が、ふくの魅力を語った。

ふくの旨味を引き出す上で最も大切なこと、それは「下ごしらえ」である。
魚は活き造りが喜ばれるものだが、それは歯ごたえが良いだけで旨味ではない。ふつう旨味成分に変わるまでに、しめてから4〜5時間かかる。一方、ふくといえば、しめてから24〜36時間もかけて旨味成分に変わるのである。一晩から長ければ三晩冷蔵庫で寝かせるというのが一つの「下ごしらえ」の技。これはふく独特の技で、さばいたふくをさらしに包み余分な水分を取ることで旨味を凝縮させる。この熟成作業が重要な鍵となる。大将 宮武氏の腕により、寝かせたふくの適正を見極めながら和食の技が光る、魅力あふれるふく料理が【博多 い津み】の最大の強みである。

まずは“刺身”。
ふつう、「一枚引き」という、一度で薄く長く切り、菊の花のように盛り付ける技術が主だが、【博多 い津み】では、一度切ったものに、もう一度包丁を入れて開く「二枚引き」という技術で、牡丹のように盛り付けるのが特徴。
「一枚引き」の良さは、一度の作業で作ることができるため、生ものを扱う上では最適な方法であるが、あまり薄く切ると食べていてなんとなく物足りなさを感じ、ポン酢の味が勝ち過ぎてしまう。一方、厚く切ると身が堅いため、口の中でポン酢の味が先になくなり、ふぐの身だけが残り、生臭さが残ってしまう。
こうした「一枚引き」の物足りなさやポン酢との調和を補ったのが、「二枚引き」の技術である、と大将 宮武氏は言う。

そして特徴的な【博多 い津み】の“ちり鍋”。
刺身に用いたトラフグのあらを使い、出汁は昆布のみ使用。あとはふくと白菜・春菊・豆腐のみ。ふくの持つ淡白な味を大切にするため、味の強いものは一切いれないというこだわり。それは、誰もが一番最後に楽しみにしている“雑炊”をいかにふくの味を生かした雑炊にするか、という大将 宮武氏の想いがそこにあるからである。また、【博多 い津み】の“雑炊”は、ふくの旨味を生かすように、洗い米から炊くところにも特徴がある。もちろんお決まりの卵も入れない。それはお客様にふくを最後の最後まで食べ尽くしてもらい、ふくの旨味の特質を最後まで生かすことに大将 宮武氏のふくへの情熱が伺える。

お客様に「今までのふくは何だったのかと思うほど、他のふく屋の味と違う。美味しくて感動した。」と言ってもらうことが何より嬉しいとにこやかな恵比寿さまのような笑顔で大将 宮武氏は言った。
「“ふく”を食べて福の神を呼ぶ」というように、福岡の人々をふくで幸せにしたいという大将 宮武氏の熱い想いが伝わってきた。

店舗取材

博多 い津みのイメージ

青く澄み渡る空の下、朱塗りが冴える住吉橋を渡り、そのたもとに堂々と佇む老舗料亭【博多 い津み】を今回店舗取材させていただきました。撮影は別の日でしたので、今回は取材のみ。料理教室などでも活躍し、食文化に広く貢献している、大将  宮武氏が語るふく、そして食への想いをたっぷりと聞かせていただきました。


古くは夏の食材として日本人を魅了してきた「ふく」。今ではふくとは冬のイメージですが、江戸時代では“夏ふく”しか食べなかったそうです。ふくの時期とは、ポン酢の時期。つまり柑橘類の時期である夏、だったのですね。実は7月〜8月の夏場から漁獲されているということは、あまり知られていないのかもしれません。もちろん、【博多 い津み】では新鮮なふくのみ使用していますが、夏場に漁獲されたふくを冷凍して冬に出す店もあるそうです。また、使われなかった冷凍ものは破棄されるため、有効活用する何か良い方法はないだろうか・・・そうした中で大将 宮武氏により考案された商品、それは・・・


「ふくオイル漬け(コンフ)」


旨味や風味を損なわず、保存性を上げる最も古いフランス料理の調理法「コンフィ」を用い、ふくの身をオイル漬けにした食品。ふくのコンフィの頭文字から“コンフ”と名付けたそうです。そのまま食しても良いですし、野菜と一緒に調理したり、パスタやご飯などとも相性が良く、どのジャンルの料理にも使うことができる優れもの。まさに今までのふくのイメージを一新する画期的な食品。【博多 い津み】のHPにレシピが載っているので、参考にしてみると料理の幅もきっと広がります。


「ふく料理で他ジャンルとのコラボレーション」


“夏ふく”を使った料理を広く知ってもらおうと、大将 宮武氏は有名な中華やイタリアンのシェフとコラボレーションし、ふく料理の新たな魅力を生み出しました。「ふくは“高級で冬のもの”というイメージをとにかくなくしたい」という大将 宮武氏の熱い想いから実現した、最強のコラボレーション。そのお相手は、なんと、「料理の鉄人」で中華の鉄人として名を馳せた、かの有名な陳 健一氏や、知らない人はいないだろう、東京・銀座にあるイタリアン[LA BETTOLA da Ochiai]のオーナーシェフ 落合  努氏です。和食だと何となく気が引けてしまうところを、中華やイタリアンでふく料理をすることで、若者にもふく自体を身近に感じ、“夏ふく”を抵抗なく自然に食べてもらいたいという大将 宮武氏の想いはたくさんの人々に伝わっています。


本当にたくさんの引き出しを持っている大将 宮武氏。まだまだ話し足りなかったのですが、残念ながら時間となってしまいました。お土産のコンフをいただいて、最後に客室を見せていただきました。老舗料亭の客室は隅々まで洗練された造り・・・茶室風な造りで落ち着いた雰囲気の個室、中庭を眺めながら食事を楽しめる離れ、宴会ができる約40畳の大広間、お一人様から利用できる坪庭を眺めながら料理を楽しめるカウンター席、気軽に楽しめるテーブル席等がありました。


最後に・・・「ふくを福岡の名物にしよう」という大将 宮武氏の想いとは・・・


夏場もふくを有効利用して、「夏でも美味しいふくが食べられる都市、それは世界に福岡しかない!」と認められるように、これからも幅広く活動していきたい、と大将 宮武氏は言います。ふくと福岡を愛する大将 宮武氏こそが福の神ではないだろうか・・・ふくを食べて本当に福の神を呼べるかもしれません。


《取材:食文化スタジオ 久志晃子2011.11.17》

RKBたべごころでの詳細

http://rkb.jp/tabegocoro/broadcast/20111210/

食文化スタジオでの活動

http://www.syokubunka-studio.jp/seminar/2011/12/03132741.php



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