食文化ファイル「店舗」

河庄 2012:02:17:21:44:22  2012:06:23:12:48:20

河庄のイメージ

ジャンル:寿司割烹

『たべごころ』放映2012.1.14

住所:福岡市中央区西中洲5-13
TEL:092-761-0269

【営業時間】
 11:00〜15:00
 17:00〜23:00
 ※土曜・祝日
 11:00〜23:00(ランチ営業)
【定休日】
 日曜日
【席数】
 80席

http://www.kawashou.info/top/index.html

地図

福岡市中央区西中洲5-13 (Sorry, this address cannot be resolved.)

河庄のイメージ

<昼>
 にぎり寿司セット 5,250円
 (寿司十貫・吸物または赤出し・果物)

 昼懐石      5,250円〜
 (前菜・吸物・刺身・蓋物・焼物・寿司・果物)

<夜>
 おまかせ懐石   10,500円〜

 あらコース    15,000円〜

 ふぐコース    18,000円〜


※2011年12月13日現在

河庄 統括総料理長 泉田 英樹 氏

河庄のイメージ

福岡市中央区西中洲。その一角におよそ半世紀に渡り、変わらぬ佇まいの【河庄】がある。「博多の町に寿司割烹【河庄】あり」と言われ、誰もが一度は訪れたい名店である。現在、統括総料理長を務めている泉田 英樹 氏は【河庄】に来て23年になるが、受け継がれてきた創業当時の話を伺った。

□【河庄】誕生までの歴史
終戦間もない動乱期の昭和22年、板前割烹の店として初代・高木 健 氏が【河庄】を創業。大阪の名のある和食板前であった初代・高木氏は、中国の大連で料亭をしていたが、戦後引き上げ、博多の地を選び創業したという。創業当時のスタイルは「板前割烹」。当時は食材を入手するのが難しかった。特に米の入手は大変で、米がごちそうの時代に、初代・高木氏は米をどう使うかを考えていた。そこで柳橋に並ぶ新鮮な魚に着目し、寿司として米を使おうと考え出したのである。まず突き出しから始まり、メインは割烹料理、そして最後の締めに寿司を出すという、寿司割烹のスタイルは、【河庄】が博多に根付かせたものである。

□河庄スタイルとは
当時、寿司といえば“江戸前寿司”であった。しかし、和食屋が寿司屋をやるにはバランスを考え、鮮度が良いネタを創意工夫してメニューを考案しなければならなかったという。
「寿司職人は、ネタとシャリのバランスを考えるものだが、和食職人はそれを覆そうとする。身を厚くしたり、松笠造りや包丁の入れ方や巻き方など、和食の応用をたくさん取り入れ、新鮮な魚を大胆に使い工夫を凝らして出来上がったのが、いわゆるネタ食いの“博多寿司”である」と語る泉田総料理長は、「板前割烹」のスタイルを先代から受け継ぎ守り続けている。

昭和30年〜40年頃、板前割烹が流行し、食事代わりに寿司を食べるようになる時代へ。そんな時代の流れに乗り、【河庄】は当時では珍しい「和食の技法を取り入れた寿司」を提供。そのスタイルがたくさんの人々に受け入れられ、博多寿司の草分けと言える存在に発展したのである。

□泉田総料理長の想い
「この10年、寿司屋は後退している。食べ慣れて趣向が変わり、敷居も低くなってきたが、【河庄】スタイルは崩さず守っていきたい。」と泉田総料理長は言う。

【河庄】のカウンター席は、本物の【河庄】を楽しむことができる特等席である。なぜなら、板前が直接お客様と話して、お客様の趣向や状況に合わせて料理を提供することができるから。板前割烹とは、いわゆる和食職人の醍醐味である。決められたフォーマットはなく、板前それぞれが考え、それぞれが持っている技で握っている。【河庄】の伝統を守ること、そして【河庄】の看板を背負うことを、板前一人一人が自覚を持ち守り続けているのである。泉田総料理長の想いは、【河庄】で働く従業員全員にしっかりと伝わっており、博多寿司を愛するたくさんのお客様の信頼となり得ているのである。

店舗取材

河庄のイメージ

福岡市中央区西中洲に位置する老舗の博多寿司割烹【河庄】を店舗取材させていただきました。今回は取材のみ。撮影は別の日でした。


【河庄】を語る前に、まず、建物の素晴らしさをお伝えしなければなりません。【河庄】の日本の美を知り尽くした店構えは、建築家「※吉村順三氏」の作品によるものです。西中洲というエリアは、古くから続く老舗や名店が多く、大人の隠れ家としても内外に広く認知され定着してきた魅力的なエリアです。その中に堂々と佇む老舗ならではの風格がある【河庄】は、夜になるとライトアップに身を包み、ひと際存在感を放ちます。店内に一歩入ると、板前割烹の醍醐味であるカウンターがL字型に広がっており、その奥には仕切りがあるテーブル席があります。そして、2階に上がると、様々な個室があり、その一つ一つには様式美と風情が漂い、名のある調度品の数々が飾られていて、季節の花が生けられています。カウンターで板前割烹の醍醐味を味わうも良し、風情ある個室で料理に舌鼓を打ち語らうも良し。【河庄】に訪れるすべての人におもてなしの心を伝えたいという女将をはじめ泉田総料理長の想いが隙間なく行き届いているのが、老舗たる所以なのでしょう。


HP用ー河庄ーカウンター.png


ランチが終わった時間に取材にご協力いただきました。泉田総料理長の足元を見ると高下駄を履かれていました。「板前がお客様と対面してカウンターに立つので、お客様に和食職人の手元が見え易いように高下駄を履いています。」と教えていただきました。板前さんの高下駄はなんとも粋な姿ですね。


【河庄】には4人の板前さんがいますが、それぞれ全く異なる仕事をするそうです。【河庄】の伝統を受け継ぎ、板前それぞれが素材に味に吟味を重ね、腕を振っています。そして、季節の彩りや新鮮な食材を使い、和食職人の技が際立つ料理の数々には目を奪われます。


先代から受け継いだこだわりHP用ー河庄ー内観2.jpg


「河庄の守るべきスタイルは継承しながら、時代のニーズにも対応しなければならない。たくさんの方に『大切な人と食事をしながら過ごすなら【河庄】で』と言ってもらえるようにしたい」と語る泉田総料理長から、老舗を守り続ける賢者の姿を垣間見る思いがしました。


取材のご協力、ありがとうございました。食人の情熱を、これからもたくさんの人に伝えていきたいと思います。


《取材:食文化スタジオ 久志晃子》


※吉村順三氏:日本を代表する建築家の一人で、皇居新宮殿の建設に関った人物。日本の伝統とモダニズムの融合を図った人物でもある。1994年、文化功労賞を受賞。奈良国立博物館新館や八ヶ岳高原音楽堂ほか作品は多数あり。

RKBたべごころでの詳細

http://rkb.jp/tabegocoro/broadcast/20120114/



このページの先頭へ