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  3. 【ブログ】仕事の楽しさ発見発信シリーズ㊴<中華料理人に学ぶ “蒸”(チョン)の技術と料理>

【講座概要】

開催日時:2021年3月18日(木)14:30〜16:30

講  師:上海料理 老上海 料理長 壽 義行氏

参加人数:18名

テ ー マ :中華料理人に学ぶ “蒸”(チョン)の技術と料理

内  容:【セミナー】

      ・蒸し料理の特徴

      ・食材の下準備

      ・食材による火力と時間


     【デモンストレーション】

      ・酔っ払い鶏

      ・タイ米の香り蒸しごはん

      ・鮮魚の姿蒸し

      ・皮付き豚すね肉の蒸し物

食に携わるあらゆるジャンルのプロから学ぶ、『仕事の楽しさ発見発信シリーズ』。
第39回目の今回は、「中華料理人に学ぶ“蒸”(チョン)の技術と料理」をテーマに開催いたしました。

今回は、上海料理 老上海 料理長の壽氏を講師にお迎えしました。
まず最初に、セミナーから講座スタートです。

【特徴】

蒸し料理には以下の特徴があります。
1、うま味を損なわない
2、形・色があまり変化しない
3、しっとり仕上がる
4、ムラなく熱がまわる
5、スープや漬け汁の液大量に変化がない
6、煮詰まらない

メリットがある反面、加熱による香りやコクはつきにくいというデメリットがあり、直火調理ではないため、中国料理の三大要素である「色、味、香」のうち「香ばしい風味をつける」ができません。

そこで、下味をしっかりつけることの大切さや、香味野菜や香辛料を用いる場合も多いとされています。また、途中でアクを取り除くことができないので、下処理が重要です。

内臓肉や肉類などでアクが出るもの、臭いが強いもの、火の通りにくいものは下茹すると良いことや、表面が固い材料、水分が多いものは、揚げて水分を除き気泡を作ることで味を含みやすくなる等のお話も教えていただきました。

【基本操作について】

材料に均一に火を通すには…
蒸し器の中で蒸気が対流する必要があるので、材料は空間をあけて配置することが重要です。

仕上がりまで蓋を開けてはいけないので…
肉・魚:強火で一気に
卵・豆腐:弱火でゆっくり

その他、せいろ・蒸し器・スチームコンベクションそれぞれのメリットと使い分けについても教えていただき、今回は3種類の機器を使ってデモンストレーションを行っていただきました。

続いてデモンストレーションの開始です。

一品目は、“酔鶏(酔っ払い鶏)”からスタートです。

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【調理のポイント】

1、最低30分常温においておく。下味の浸透…?常温におく理由

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2、蒸し器内を80℃前後に保って蒸すと、肉が柔らかく仕上がる

3、鶏は加熱しすぎると、旨みが抜けてパサつく原因になるので余熱を考慮する

4、紹興酒以外の代用は可能か?

二品目は、“ 泰蒸米(タイ米の香り蒸し) ”です。

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【調理のポイント】

1、タイ米の扱い

2、鶏油の効果…少量で独特の風味、うまみ、コク出し、「化粧油」としても

3、包蒸(パオチョン)の紹介と応用

材料を調味し、蓮の葉、網脂、ゆば、うす焼き卵などで包み、強火で蒸す調理法。材料の香りも閉じ込め、蓮の葉などを使うとその香りも加わる

三品目は、“ 清蒸鮮魚(鮮魚の姿蒸し)”です。

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色のつく調味料を使わずに蒸す調理法。
素材の持ち味を生かして蒸す調理法で、魚介類を蒸すのに適している

【調理のポイント】

1、魚は蒸す前に常温に戻しておく

2、下になる側に切り込みを入れる

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魚の水分をしっかり除く、材料に水分が残っていると、味を含まず水っぽく仕上がる

3、魚と皿の間に箸をおき、蒸気を通す

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生姜にはタンパク質分解酵素が含まれているので、蒸す直前にのせないと触れている部分の魚の弾力が失われることがある

4、蒸すときは強火で一気に熱を通す

火力が弱いと時間がかかり過ぎて、身がパサつく

四品目は、“ 氷糖蹄膀(皮付き豚スネ肉の蒸しもの)”です。

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【調理のポイント】

1、豚肉の下処理、下加熱

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2、スペアリブ、スネ肉は長時間の加熱で形が崩れずに柔らかくなるー強火で長時間

3、材料の旨みが十分に出てスープが濁らず仕上がる

今回は「蒸(チョン)」というシンプルな調理法について、シンプルがゆえに必要となってくる下処理や調理技術について探究していきました。蒸し料理のメリットを料理に反映させつつも、デメリットをどう補うか…。プロの技を余すことなく見せていただきました。

受講生からの感想として…

・非常に良かったです。“蒸”に特化しているので、各食材での流れが分かり易かったです。

・お店でもよく蒸し調理をやっているので、大変勉強になりました。

などたくさんのご感想をいただきました。

現場ですぐに活かせるポイントがお伝えできていたら幸いです。

講師を務めて頂きました壽さん、アシスタントを務めて頂きました椿さん、ありがとうございました。

ご受講いただいた皆様、本当にありがとうございました。

またのお越しをお待ちしております。

食文化スタジオ 藤田

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